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南アフリカワインのラベル表示と開栓したワインの保存方法

南アフリカのワインづくりの歴史は短くはないものの、1990年中ごろまで続いたアパルトヘイトの撤廃まで世界的に競争力をつけることはできませんでした。現在は近代化が図られたワイン産業は、多いに品質が高まり世界中に多くのファンを魅了しています。

目次

ワイン法

ワイン生産上の厳しい規定をクリアして原産地ワイン制度(Wine of Origin Scheme)に認定を受けた南アフリカワインはボトルに認定ラベルが張られています。

ウエスタン・ケープWestern Capeという広いワイン生産地では、沿岸地域Costal Region、ブリードBreede川流域、オリファンツOlifants川、クライン・カル―Klein Karooなどの地域に分かれ、ワイン法が定める規定に合っていればさらに小さい地域の地名を記載することが可能です。

エステートワインEstate Wine

原産地ワイン制度が定める地域内で栽培したブドウを100%使い、単一のエステート(ワイン生産所)で栽培から瓶詰まですべての工程を行ったワインは、その生産者にエステートワインとして販売を許可されており、「トップブランド」のワインということになりラベルへの記載が認められます。

南アフリカワインの主なブドウ品種

―赤ワイン用品種―

カベルネ・ソーヴィニヨンCabernet Sauvignon種

最も広く栽培されています。

メルローMerlot種

カベルネ・ソーヴィニヨン種とボルドー風ブレンド用に、またはこの品種のみで栽培されています。

シラーShiraz種

芳醇でダークベリーの香りがするアルコール度の高いフルボディの赤ワイン。

ピノタージュPinotage種

南アフリカ独自の品種。軽いスタイルからフルボディで重厚なスタイルまでさまざまなワインが作られており野性的な風味がこのワインの特徴ですが、少しずつエレガントなスタイルのものも作られています。

―白ワイン用品種―

シュナン・ブランChenin Blanc種

南アフリカではスティーンSteen種として知られているこの品種は、醸造技術の現代化によってとてもあか抜けた白ワインとなり、今や南アフリカを代表するワインと言ってもいいほど急速にその人気を伸ばしてきています。ややミディアムボディから濃厚なフルボディタイプのものまでさまざま。

シャルドネChardonnay種

とくに涼しい地方では極めて質の高い白ワイン。

ソーヴィニヨン・ブランSauvignon Blanc種

この品種の昨今の人気により、以前のさっぱりしたものより果実香味の豊かな華やかなタイプのものが生産されています。

南アフリカの主なワイン産地

―沿岸地区Coastal―

ステレンボッシュStellenbosch

南アフリカの上質ワインの産地。ワインの研究も盛んでトップクラスのワイナリーはここにあります。ボルドースタイルのカベルネ・ソーヴィニヨンCabernet Sauvignon種とメルローMerlot種のブレンドかそれらの単一ブドウ品種で作ったワインの他、冷涼地では、上質なカベルネ・ソーヴィニヨンCabernet Sauvignon種、シャルドネChardonnay種などが作られています。

パールPaarl

昼と夜の寒暖の差から影響を受ける質の良いブドウを栽培をしており、ステレンボッシュと同様の品種。

コンスタンシアConstantia

ソーヴィニヨン・ブランSauvignon Blanc種、セミヨンSemillon種、シラーズShiraz種(シラーSyrah)、カベルネ・ソーヴィニヨンCabernet Sauvignon種などから良質のワインを作っています。

―ブリードBreede川流域―

ロバートソンRobertson

フルボディのシャルドネChardonnay種、卓越したシラーズShiraz(シラーSyrah)種が注目。流行りのさわやかなソーヴィニヨン・ブランSauvignon Blanc種も生産しています。

~遅れてきたワイン大国南アフリカ~

長年の政治的背景のもと欧米文化が浸透している国ながら、またワイン生産に関しては素質がありながらも今一歩あか抜けなさが残っていた南アフリカ。ここ10年ほど、世界のワイン市場が求めるスタイルのワインを作れるようになってきました。それまでは、潜在能力はあるものの、なんとなくあか抜けなさが残る白ワイン、冗談のようですが、赤ワインもポテトチップスのにおいがするやら、アフリカの動物のにおいがするやら、変わった形容がされていた時期もありました。21世紀になりしばらくたち、南アフリカワインは見事に一皮むけ洗練さを身に着け世界中で気になる存在に。他のニューワールドワインと同様、今後ますます注目を集めるワイン産地となりそうです。

 

開栓したワイン

一昔前までは一度開栓したワインはその日のうちに飲みきらなければならないなどという間違った情報が広がっていました。今でもその間違った情報を信じてワインを敬遠してしまっている人が多いのも事実です。

ワインの酸化

まずワインを空けると何が起こるか、ワインを空けると起こることはワインと空気との出会いです。そしてワインが空気に触れるとまず揮発性の芳香性成分が立ち上がります、ですがワインは液体なので揮発してしまう量は液面の部分くらいでほんのわずかです。よく言われることは酸化ですが、これにより立ち上がる芳香性成分もあり酸化することで起こる化学変化によって生まれます。この酸化により現れる芳香性成分はいくらワインが液体だといっても酸素の侵入は避けられないので、あまりにも長い間置いておくと全て酸化して消えてなくなってしまいます。ですが、グラス内では2日と待たずに消えてしまうこの成分も、ほとんど空気の動きがないボトル内では酸化がゆっくり進むため、3~4日はピークを保ちます。逆に酸化による芳香性成分がまだ現れていないワインは硬いという表現がなされ、液面の広いデキャンターと呼ばれる容器に入れわざと酸化させることがあります。デキャンターを利用しない場合は1~2杯飲んだボトルにラップをすることで、2~3日後には香りが開くことが多くあります。繊細なブルゴーニュワインや長期熟成が行われた高級ワインではほとんどが30分~1時間程で香りが開きます。そして忘れてはいけないのが収斂作用です。収斂作用とは例えばワインで言えば、魚介類と赤ワインを合わせると、赤ワインに含まれる鉄分が酸化するのに連れられて、魚介類の脂が急速に酸化してしまうことで生臭さを生み出すことがあります。これは成分の揮発にも当てはまり、何かが飛んでしまうときに連れられてなくなってしまう成分があります。アルコールも揮発性であり、アルコールが飛ぶ時に連れられて飛んでいってしまう香り成分もあるので、香りが開いたら2日以内に飲んでしまうと1番いい状態を楽しめると思います。

タンニン

若いワインには渋味の強いものが多くありますが、この渋味の原因がタンニンと呼ばれる抗酸化物質です。古いワインではタンニンが結合し、不溶性タンニンの澱となって沈むため結果的には渋味が少なくなります。さらに、タンニンは加熱することにより酸化し、渋味の少ない物質に変化しますが、長い熟成を経たワインでは微量に含まれる酸素によりタンニンも酸化されるため、まろやかな渋味になります。一度開けたワインも酸化がなされるために徐々にタンニンの渋味も和らいでいきます。このタンニンの酸化と芳香性成分の酸化が最も良いバランスである時がワインの飲み頃であり、レストランではお客様に提供する8時間前や12時間前に開封しておくところもあります。

まとめ

一日でバランスのピークを迎え、さらに壊れるワインはほとんどないので、一日のうちに飲みきらなければならないワインなどほとんどありません。開栓したワインを保管をする場合は上記を踏まえ、酸化バランスのピークを長く取るために、換え栓やラップなどでボトルにそれ以上空気が入らないようにしてやれば、1週間程度は美味しく飲むことができます。

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