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イタリアワインの至宝「サッシカイア」

イタリアワイン好きなら知らない人はいない、
“イタリアワインの至宝”とも呼ばれる、「サッシカイア」。
サッシカイアとは、どんなワインなのでしょうか?

目次

オーナーの自家用から始まった

イタリアで、法律の枠にとらわれず外来品種・新技術を用いた
初めての高品質ワインが、1968年からトスカーナで造られている「サッシカイア」。

オーナーは、インチーザ・デッラ・ロケッタ家で
先代のマリオ・インチーザ侯爵が、ボルゲリの領主ゲラルデスカ家の娘と結婚した際に
広大な土地を引き継ぎました。

無類のワイン好きであったマリオ・インチーザ侯爵は、
イタリア土着品種のサンジョベーゼが好みではなく
フランスのボルドーワインを好んで飲んでいました。

そして、1944年にボルドーのシャトー・ラフィットから、
カベルネ・ソーヴィニヨンの苗木を手に入れ、自分の畑に植えたのです。

「サッシ=石、カイア=〜な場所」と名前が示すように、そこは石だらけの畑で
ボルドー、メドック地区に似ており、カベルネ・ソーヴィニヨンに最適の地質でした。

そうして、自家用でワインを造り始めたのがサッシカイアの始まりです。

テーブルワインからD.O.Cへ

1960年代になると、そのワインが大変な評判になり生産を拡大、
1970年代に入ると、徐々に世界的に販売を開始しました。

そして、その実力を世に知らしめたのが、1978年のイギリスで最も権威あるワイン雑誌、
デキャンタ誌が主催するブラインド・テイスティングでした。
あの シャトー・マルゴーさえも抑え、サッシカイアがベスト・カベルネの座を獲得したのです!

サッシカイアがリリースされた当時、85%を超えるカベルネ・ソーヴィニヨン主体のワインは、
ワイン法上、格の高い原産地呼称D.O.C.Gを名乗ることができず
最下層の「ヴィーノ」として出荷されていました。

しかし、そのクオリティはずば抜けており、トスカーナの規定を超越したという意味で
「スーパータスカン」と称されました。
そこから20年以上、サッシカイアは元祖スーパータスカンとして
圧倒的な存在感を放ち、現在までのトスカーナワインやボルドーワインにも
強烈な影響を与え続けています。

1994年にはついに「ボルゲリ・サッシカイア」として、
イタリアでは唯一、単独ワイナリーでのD.O.C昇格を果たしました。
サッシカイアは法律さえも変えてしまう程、偉大なワインなのです。

恵まれたた土地、ボルゲリ地区

サッシカイアが造られているボルゲリ地区は、トスカーナの中心地シエナから
真っ直ぐ西へ進んだ海沿いのエリア。

その中のマレンマと呼ばれる地域にあり、地中海性の温暖な気候が特徴です。
常に海からの風を受けるため乾燥しており、日中はさんさんと降り注ぐ陽光のおかげで
暖かい一方、夜は冷え込みます。
この温度差が、ジューシーでぎゅっと凝縮感のある果実を育てます。
雨が少ないため、収穫前の雨によって果実が不作となる心配もあまりありません。

さらに、土壌にも特徴があります。
マレンマは、砂質、石灰質、粘土質が入り組んでおり、ミネラル分も豊富。

そしてサッシカイアが特徴的なのは、ブドウ畑が広い敷地の中に点在していること。
それは様々な土壌の中でも、ブドウ栽培に最適な場所を厳選して、植えられているから。

そこまでこだわり抜いた、サッシカイアの目指すスタイルとは、古き良きボルドーの味わいです。
それでいて、厳格で伝統的なボルドーのグラン・ヴァンとは少し違う
イタリアらしい、自由で優雅、堂々たる品格を感じることができます。

まとめ

いかがだったでしょうか。

サッシカイアの魅力の一つに、「いつ飲んでもおいしい」ことがあげられます。
販売後1~2年から楽しむこともできますし、20年以上熟成させることも可能
と言われるほど寿命が長いのです。
だから、とっておきの日のために買っておいて、大事にワインセラーで寝かせておくのもいいですね。

イタリアの至宝とまで言われる、憧れのサッシカイアは
最高においしい状態で楽しんでいただきたいので、
ワインショップで買われる際は飲み頃を必ず店員さんに確認してみてください。

サッシカイアは、ある程度値段が張りますが
ちょっと特別な日などに、ぜひ一度味わってみてください。
一度飲むと、その品格に驚くはずです。

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