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日本ワインの先駆け、北海道

日本ワインの先駆者北海道

日本ワインは山梨、長野と始まりましたが新しい品種の導入や、品種改良によって新たに日本の気候風土に合ったワイン用葡萄を作り出そうと夢をみて、それを見事成し遂げたことから北海道は日本ワインの先駆者と言っても過言ではありません。その中心にいた人物は日本の生食用ブドウの歴史までも変えた賢人でした。新しい品種を生み出そうと考えられた第一の理由は北海道の厳しい自然環境にありました、海外でいかに寒さに強いとされているブドウでも-36度を下回る北海道の寒さに耐えるのはとても厳しく、栽培にも大変な苦労が伴います。まず極寒地帯であるドイツのワイン作りを真似リースリングやゲヴュルツトラミネールなどのドイツ系の白ワイン品種が植えられ、それらの品種は冬が来る前に枝が登熟し木質化するため寒さに非常に強い品種でした。赤ワイン用品種にはフランスのアルベール・セイベル博士がフィロキセラに耐性を持つ葡萄を産み出すために作り出したセイベルシリーズの1つセイベル13053通称カスケードを導入しました。この品種はヨーロッパ葡萄に複数のアメリカ大陸原産の葡萄を掛け合わせているため、フィロキセラに耐性がありなおかつ寒さに強い葡萄でした。しかしこれらの品種も北海道の凍害を完全に免れることはなく、冬に枝や木を土に埋めるなど多大な苦労がありました。

おたる

おたるワインは飲みやすく昔ながらのドイツ式のものが多いところです。ミュラー・トゥルガウやケルナー、生食用品種のナイアガラやデラウェア、キャンベルス・アーリーなどでもワイン作りを行っています。特に飲み口が軽くラブルスカ種特有の強い甘い香りを持つナイアガラ種のワインは普段ワインを飲み慣れない女性や若者に人気があります。辛口のシャルドネなども手がけており、今後も成長が見込めるところです。

富良野

ラベンダーの里、富良野でもワインが作られています。日中高温になり糖度があがる上に冬は雪がブドウの木を凍害から守ってくれる富良野では非常に良いブドウが作られています。池田町で十勝ワインが成功したのを手本にして取り組まれた富良野ワインでは、セイベル13053やミュラートゥルガウを用いて高品質なワインを作っています。赤は収穫から3年、白は2年木樽で熟成させてから出荷するのも特徴の1つで、比較的新しいツバイゲルトのワインは格別の美味しさがあります。

余市

フレッシュでナチュラルなワインが特徴の余市ワインも北海道ワインの中では有名どころです。ややニュートラルな印象を与えるここのワインは醸造方法による特徴だと思われます。やはりドイツ系品種が多いですが、カベルネソーヴィニヨンなどフランス品種も手がけています。畑から醸造所が近いため新鮮なうちから醸造を始められるので、白ワインには持ってこいの場所です。ケルナー、リースリング、ミュラートゥルガウ、ツバイゲルトが主力になっています。

十勝

今では沖縄のコンビニでも販売されているほど全国的に有名になった十勝ワインですが、ここまで成長するのには大変な苦労がありました。一般家庭でワインを飲む習慣などなかった時代に、池田町町長であった丸谷金保さんがワインの醸造に熱心に取り組み、シャトーを建造し、ワインを作り、町営レストランを経営するなど当時としては型破りな商法から始まりました。代表品種は清見というブドウですが、これはセイベル13053からクローン選抜技術により選抜されたブドウで、寒地に適応した早熟性、ピノノワールに似た香りを持つとして発表されました。北海道に自生していた野生ブドウのアムレンシス種(アムールヤマブドウ)を利用したワインとして生まれたアムレンシスワインが爆発的人気を誇りましたが、その後の検査でアムレンシス種ではなくタケシマヤマブドウかそれに近いヤマブドウの変種と訂正されたようです。現在はそのアムレンシス種とされたブドウを用いて寒冷少雪の十勝の凍害に負けない品種が開発されており、今ではアムレンシスワインも新しい品種により作られています。品種の名前は清舞と呼ばれる品種で、清見とアムレンシス種とされたブドウ(中島1号)の交配で生まれ、清見よりもよりピノノワールに近く低温マセラシオンにより真価を発揮するブドウです。例えるならばイタリアのネレッロ・マスカレーゼの香りにピノノワールの味がするような期待の新品種です。兄弟品種の山幸はより渋味が強くコクがあるそうで、おそらくは澤登晴雄氏が作り出した小公子ブドウに近い味わいだと予想されます。

澤登晴雄

日本のヤマブドウワイン研究の第一人者であり、カッタクルガンやリザマートなどのアンタシアーティカ系ヨーロッパ葡萄をカザフスタンから初めて日本に導入し、数々の高級生食用ブドウを作り出した澤登晴雄という人がいました。モスクワやハバロフスクでアムレンシス種の種子を手に入れ品種改良に用いたりと世界中の野生ブドウを国内に持ち込み、ワイン用品種を作り出しました。ワイングランドという品種はそのモスクワアムレンシス種と中島1号を交配させ、さらにセイベル13053を交配したブドウで、山形の月山ワインの中心品種になるなど長い間日本ワインに用いられてきました。ある時、ソ連の招待を受けて日本葡萄愛好会から澤登晴雄氏を含め5名が視察に向かいました、その中に大学時代に学友でもあった北海道池田町の丸谷金保町長がいました。すっかり意気投合したふたりは帰国後、池田町周辺のヤマブドウの調査を行い様舞の山で見つけた明らかに特徴の異なる種をソ連にまで持ち込み検査を依頼し、アムレンシス種だという答えを貰っていたため、池田町でワインを作るというふたりの夢が膨らみました。その後メルシャンの前身である大黒葡萄酒の研究室にいた岩野氏なども巻き込み十勝ワインが生まれていきました。予算を町の予算から出して貰うために、丸谷町長が反対する議員たちに葡萄は絶対に失敗しないという説明を半日ぶっ通しでやったという話しもあることから相当に熱心にやっておられたことが想像できます。その根拠は、池田町にはヤマブドウがある、ヤマブドウがあればワインはできる、ヤマブドウを交配に使えばいつかこの土地に合った葡萄ができるということでした。その考えどおり現在、清舞、山幸が注目を集めつつあるのには驚かされます。

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