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スパークリングワインのラベル表示とチリワインのラベル表示の用語について

既にご存知かと思いますが、フランス・シャンパーニュ地方で作られている発泡性ワインだけが「シャンパーニュ(シャンペン、シャンパン)」と呼ばれ、それ以外の発泡性ワインは「スパークリングワイン」と呼ばれます。そして、シャンパーニュも大きな区切りでは「スパークリングワイン」の中に入ります。

ここでは、世界中で作られているシャンパーニュ以外のスパークリングワインのラベルに書かれていることについてご紹介しましょう。

目次

オールドワールドのスパークリングワイン

プロセッコProsecco

現在、驚異的な人気のイタリア産スパークリングワイン。それは北イタリアで生産されるプロセッコProsecco DOCというもの。青リンゴやメロンのようなフレッシュな香りと程よい酸味が爽やかで、若干の甘みを帯びている。これより品質が上のコネリアーノ・ヴァルドッビアデーネConegliano Valdobbiadene DOCGというのがある。これには、カルティッツェCartizze,リーヴェRiveといった最良のブドウ畑名が入ることもある。

カバCava

シャンパーニュと同じ「伝統的製法」という手間のかかる方法でワインに発泡性を持たせるスペイン産のスパークリングワイン。製法には熟成に関する規定もあり品質の良いものが多い。スペイン原産のブドウ品種を使って作られることが多かったが、シャンパーニュと同じ品種を使って作る生産者が出てきて地元では論争となっている。手間がかかる割には手ごろな価格。

クレマンCremant

フランスの7つの発泡性ワイン。クレマン・ダルザスCremant d’Alsace、クレマン・ドゥ・ブルゴーニュCremant de Bourgogne、クレマン・ドゥ・リムーCremant de Limoux、クレマン・ドゥ・ロワールCremant de Loire。

シャンパーニュと同じ伝統製法で作られており、熟成についても規定が細かくある。これらは、その地方で作られる再上質の非発泡性ワインを使って作られる。

ソミュールSaumur

フランス・ロワール地方で作られるスパークリングワイン。ソミュール・ムス―Saumur Mousseux AC。最上級のソミュール・ムス―ではシャルドネなどと地元品種を使って生産している。またカベルネ・フラン種という黒ブドウ品種を使って赤のスパークリングワインも作っている。

ヴーヴレVouvray

同じくフランス・ロワール地方で作られる非発泡性のヴーヴレが人気だが、実は発泡性のヴーヴレの方が多く生産されている。シュナン・ブランChenin Blanc種を原料に自然な酸味との調和がすばらしく、スモーキーでトーストのような香りがする。

アスティAsti

イタリア北部ピエモンテ州のワイン。ブドウのマスカットの品種ムスカートMuscato種から作られ、おなじみマスカットぶどうと、良いものは砂糖漬けのオレンジの香りがする。甘口のスパークリングワインで早めに飲んでしまう方がよい。

ランブルスコLambrusco

同じくイタリア産の微発泡性のスパークリングワイン。しっかりとした酸味を持ち大変辛口。二次発酵という作業を通して作られた上質のランブルスコに、ソルバーラSorbara、グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロGrasparossa di Castelvetro、サラミーノ・ディ・クローチェSalamino di Santa Croce、モデナModena、レッジアーノReggianoがある。

ゼクトSekt

ドイチャー・ゼクトDeutscher Sektは、ドイツで栽培したブドウを使って発泡性に作られたスパークリングワイン。最良のものはリースリング種を使っている。またドイチャー・ゼクト・べー・アーDeutscher Sekt bAは13あるアンバウゲビート(指定栽培区域)産のブドウから作った場合にラベルに記載される。まれに単一畑で取れたブドウのみで作ったものもあるがまれ。

ニューワールドのスパークリングワイン

オーストラリア

ほとんどがシャルドネ種かピノ・ノワールから作られている。シャルドネ種100%のものは、ブラン・ドゥ・ブランBlanc de Blanⅽ、ピノ・ノワール種を100%使ったものはブラン・ドゥ・ノワールBlanc de Noirと呼ぶのはシャンパーニュ地方と同じ。主な優良な生産地は、タスマニアTasmania, ヤラ・ヴァレーYarra Valley、アデレード・ふらんAdelaide Hills。またシラーズ種、メルロー種、カベルネ・ソーヴィニヨン種から作る赤いスパークリングワインを始めたのもオーストラリアで、国内ではお祝いごとにと大変重宝されている。

ニュージーランド

もともとシャンパーニュと同じ品種を使い伝統方式でスパークリングワインを作ってきた歴史があり、フランスのシャンパーニュ会社と提携し質の良いスパークリングワインを量産している。マールボロMarlborough,ホークス・ベイHawkes Bay、ギズボーンGisborneで質の良いエレガントなスパークリングワインが作られている。

南アフリカ

様々なタイプのスパークリングワインを作っており、シャンパーニュと同じ伝統方式で作られたものをキャップ・クラシックCap Classicとし記載されている。

アメリカ合衆国

主な産地はカリフォルニア州のソノマ。シュラムズバーグSchramsbergというところのスパークリングワインは素晴らしく、また参入しているシャンパーニュハウスの子会社が作るカリフォルニア産プレステージ・キュベは、シャンパーニュのヴィンテージ・シャンパーニュに引けを取らないほど凝縮みがありエレガントに作られている。

大手シャンパーニュの会社が何社もソノマ、カルネロス、アンダーソン・ヴァレーなどに拠点を置いて上質スパークリングワインの生産に力を入れている。

世界スパークリングワイン・ブーム

スパークリングワインというとどうしてもシャンパーニュを思い描きがちですが、上記のようにオールドワールド、ニューワールドを問わず、各地で面白いスパークリングワインがたくさん出回っています。一例をご紹介すると、今まで寒冷地としてワイン用ブドウが熟すことができなかったイングランドでは、地球温暖化の影響でそれが可能となり、フランスのシャンパーニュを含めたスパークリングワインの目隠し試飲会で、イングランド産スパークリングワインがシャンパーニュを下し世界一となったことが何度かあるとか。そのように世界のスパークリングワインの品質は日々向上しています。お手頃なものは、アペリティフにもメインのお食事にも、またデザートにもピッタリ!

スペインの植民地であったこの国にはもともと潜在的に理想的なブドウ栽培地としての要素があったと言われていますが、実際、産業として発展してきたのは1990年代に入ってから。フランスをはじめとしたヨーロッパの一流ワインの生産者がこぞってこの地のブドウ栽培に適した土地を買い、栽培、醸造技術を提供し、『コストパフォーマンスがいい』と言われるチリワインが世に知れ渡ってきたのはたった20年ほど前のことです。そのスピーディーな改革が成しえたすばらしいチリワインの姿をご紹介します。

法的ラベル表示用語

1.原産地を特定する呼称制度・デノミナシオン・デ・オリヘンDenominacion de Origin(DO)

以下の4地方がワイン産地の主要地域として登録されています。長く南北に伸びたこの国のワイン産地の気候条件は、その土地により大きく違ってきます。下記のDO内の小さな地域についてはチリのワイン産地のページでご案内しています。

・コキンボCoquimbo

・アコンカグアAconcagua

・中央渓谷地方Central Valley

・南部地方Southern Regions

2.熟成度を表すラベル用表現

レゼルバReserva, レゼルバ・エスペシアルReserva Especial, レゼルバ・プリヴァータReserva Privada, グラン・レゼルバGrand Reserva

決められた期間熟成させてあること、またそのテースティング審査に合格したこと、その二つをもっていずれかの表現をラベルに表示することが可能。しかしながら、特に大きな意味はなく生産者が品質レベルをラベルに示したい場合に書かれることが多いようです。

チリワインの主なブドウ品種

―白ワイン用―

ソーヴィニヨン・ブランSauvignon Blanc種

完熟した果実からとてもフルーティーで芳醇なタイプのソーヴィニヨン・ブランとなります。

シャルドネChardonnay種

完熟した果実から芳醇なタイプのシャルドネを作っていましたが、近年では様々なスタイルのものが出ています。

ヴィオニエViognier種、リースリングRiesling種、ゲヴュルツトラミネールGewurtztraminer種

アロマの強いこれらの品種の栽培にも成功しています。

―赤ワイン用―

カベルネ・ソーヴィニヨンCabernet Sauvignon種

さまざまなスタイルのワインが単一品種として、また他の品種とのブレンド。

メルローMerlot種

価格が安めで果実味の多いミディアムボディのワイン。

カルメネールCarmenere種

現在ではチリの特徴的ともいえる品種。うまく作ってあるものは黒コショウや草のような香りがします。

シラーSyrah種

様々なスタイルのものが作られているが、エルキ・ヴァレーElqui Valleyの追うな冷涼地のものはチリ最上級のシラーと言われています。

ピノ・ノワールPinot Noir種

この品種が作る最高のものができるともいわれるチリ。日常的なものから最高品質のものまで多種多様のスタイルのものが出ています。

潜在能力と最新技術との理想的な組み合わせからできたワイン

充分な日照時間があるので果実は確実に成熟し、アンデス山脈からの雪解け水が灌漑に使え、過去に線虫の被害を受けていないクリーンな土壌。それに加えて、品質向上や多様性に対する向上心、競争力のあるこの地は、なるべくしてワイン生産地として成功した国と言えるでしょう。この国で生まれ育ったワイン生産者、また、よりエキサイティングなワイン生産のためにこの国を目指して世界中から訪れるワインの作り手たちは、この国にまだまだ潜むワイン産地としての能力を最大限に引き出すべく日夜努力を続けています。これからもまだまだ新しい試みがされるはず。消費者としてはこれからも手に入れやすい価格でさらに質の良いワインが出回るのを待ちたいところですね。

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