「オニオングラタンスープ」
タマネギをバターであめ色になるまでじっくり炒めます。タマネギの自然の甘みがとっても美味しいスープです。寒い日に作れば、体の芯から温まります。タマネギがあめ色になるまで時間は少しかかりますが、ぜひ作って頂きたい一品です。
目次
材料 4~5人分
・タマネギ 500g
・バター(無塩) 15g
・水 適量
・ブイヨンキューブ 1個
・塩こしょう 適量
・バケット 4~5切れ
・グリュイエールチーズ 適量
作り方
- タマネギを薄切りにする。
- フライパンを中火にかけ、バターを溶かす。タマネギを焦がさないように炒める。
- タマネギ全体がきれいなあめ色になったら水を加え、ブイヨンキューブを加える。
- 塩こしょうで味を調え、約10分ほど中火にかけ味をなじませる。
- オーブンを180℃に予熱する。
- 耐熱の容器にスライスしたバケットを入れ、オニオンスープを注ぐ。
- グリュイエールチーズを散らし、180℃のオーブンに美味しそうな焦げ目がつくまで約5~7分いれる。
この料理に合わせるワイン
辛口の白ワインをおすすめします。シャルドネの濃厚な果実味、口に含めるとまろやかな口当たりがするものが合います。樽の香りのあるタイプのものならよりオニオングラタンスープのコクに合うでしょう。軽めの白ワインだとタマネギの凝縮されたうまみと甘味に負けてしまいます。濃厚な果実味があってのマリアージュということができるでしょう。
タマネギの美味しさ詰まったスープ
タマネギだけでこんなに美味しいスープが作れるなんてすごいなぁと作るたびに感動させられるスープです。フランス料理のとてもベーシックなスープの一つです。ビストロで食べることが出来ます。子供から大人まで幅広い世代に愛されています。作り方も非常にシンプルですが、シンプルであるが為にごまかしも効きません。何よりも大切なことはタマネギを決して焦がさないこと。これだけを守れば必ず美味しいオニオングラタンスープを作ることが出来ます。そのためにはタマネギを炒めるときに中弱火でゆっくり、絶えずかき混ぜることが大切です。
ビストロでオニオングラタンスープを注文すると量が多いことに驚きます。バゲットも入っていてチーズもたくさん入っているのでボリュームが多く、これ一皿でお腹がいっぱいになります。まさにスープは飲むものでなく、食べるものだということを感じさせられます。オニオングラタンスープはライオンの顔が両脇についたスープボウルに入れられてきます。なぜライオンの顔がついているのか理由は不明なのですが、ヨーロッパでは貴族のシンボルとしてよく使われるモチーフの一つでもあります。このスープボウルは深さがあるので、最後の一滴までスープを温かい状態で飲むことが出来ます。
タマネギの濃厚な甘味が特徴のオニオングラタンスープは手間をかけて丁寧にすればするほど美味しく作ることができます。シンプルなものこそ丁寧さが大切になります。ぜひじっくりとタマネギを炒めて、タマネギの持つ優しい甘さのスープを楽しんでください。
豚皮
豚よりも羊が有名なラツィオ州ですが、古代ローマではすでに豚を養殖して食べていました。北部のリエティでは豚肉加工職人であるノルチーノの分化が色濃く残り、ローマでもポルケッタの屋台が名物です。豚皮は1キロで700円ちょっとというコスパの良さを持つ食材で、コラーゲンを多く含むため美容食材としても注目されています。水分が少ないので冷凍で長い間持つ食材で、一口大にカットしてから冷凍するとすぐに使えて便利です。脂もある程度含みますが、煮込む場合が多いのでそれほど気にしなくても良い食材の一つです。この豚皮煮込みは皮独特の獣臭さをしっかり取り除くことが大切で、下処理に手間をかけて丁寧に行うことでゼラチンの旨味を引き出します。
インゲン
インゲンマメは中国の隠元という僧侶が伝えたと言われています。マメ類は多くのものが毒性を持つことが知られていますが、インゲンマメも生の場合はタンパク毒を備えています。特に海外で人気なレッドキドニーは他の種類よりも多くの毒性を持ちます。日本で金時豆と呼ばれているものも同様で、赤い色に原因があるのかもしれません、できるだけ白いものを使うと良いでしょう。しかし、加熱しても毒性が残るソラマメよりは安全な食材と言えるでしょう。80℃以下で加熱すると5倍の毒性になるという話しがあるので念のため気をつけましょう。インゲンに含まれる成分の一つに血糖値の上昇を抑える成分があるらしく、ササゲ属特有のポリフェノールは胃ガンに働きかけ、細胞死滅行動を誘発する効果があるそうです。起源はメキシコ近辺といわれており、ヤブツルアズキが在来するアズキと異なり日本にはインゲンマメの原種が存在しません。
調理
まずはじめに豚の皮のウブ毛をコンロやバーナーで炙って取り除きます。つぎに塩、クローヴなどのスパイスを加えた酢水に2〜3日浸して臭みを抜きます。よく水洗いしたら数回茹でてアクを取り除いて、柔らかくなるまで30分塩茹でします。茹で上がったら一口大に切ります。インゲンマメは水に一晩浸して戻し、塩、ニンニク、セージ、ローリエを入れた水で柔らかく茹でます。茹で上がったら水をきって豚皮を加えて白ワインを注ぎます、ゆで汁はとっておきます。それに加えホールトマトとローリエも加えてよく 煮込み、水分が足りなかったら先ほどゆでたインゲンマメのゆで汁で伸ばして濃度を調整します。最後に塩で味を整え、羊のチーズとして有名な地元産のペコリーノ・ロマーノを振ったら完成です。
今回使うワイン
今回使うワインは、トマトの酸味と合わせた酸味で豆の甘味と調和させるのが目的なので、酸味が強く軽やかな味わいのものが適しています。例えばラツィオ州のパッセリーナという古代品種が良いかもしれません。パッセリーナは柑橘系の香りや、アプリコットの香りを持ちます。イタリアには約2000もの地ブドウがありますがその中でもパッセリーナは1000年以上前から存在すると言われている古い品種で、イタリア中部のアドリア海側が起源だといわれています。マルケ州に多く植えられていますが、古い品種なため広い地域で栽培されています。病害虫や悪天候に強いために農民には好まれました。名前の由来はパッセロで、意味はちいさなスズメという意味があり、野菜のパセリとは関係性はありません。
赤ワインを使ったお料理と聞くと真っ先に思い浮かぶのは「牛ほほ肉の赤ワイン煮込み」って思ってしまうのは私だけでしょうか。
しかもほほ肉まで特定してしまうという不思議な感覚です。
でもそれくらいの語呂の良さと、インパクトがあるのだと思っております。
シンプルなものですが、じっくり作ると本当に美味しいご馳走になります。
赤ワインとの相性もいいですし、メインとして申し分ないものかと思います。
もし自宅で楽しめたらパーティーお祝いごとにも使えそうなお料理になりそうですよね。
こちらに美味しく作れるようにレシピをご紹介させていただきます。
かなり本格的なので気合を入れてチャレンジしてみてください。
牛ほほ肉の赤ワイン煮込み
本格派を追求したレシピです。
しかし時間と手間をかければそれだけ美味しくなります。
素材を活かしたレシピです。
○材料
牛ほほ肉 1kg、玉ねぎ 大1個、にんじん 中1本、セロリ 1本、にんにく 3片、赤ワイン 1本、はちみつ 大さじ1~2、バター 10g、小麦粉 適量、塩、こしょう 適量、付け合わせの野菜 (お好みのものです大丈夫です。お料理の色が赤黒い色のため、緑黄色や白っぽい色の野菜を選ぶと見た目もいいかと思います。オリーブオイル(炒め用) 適量
○作り方
1.まずは、牛ほほ肉をひと切れ100gぐらいに切り、赤ワイン1/2本分ほど一晩じっくり漬け込んでいきます。
2.翌日に準備しておいたお野菜を食べやすい大きさにカットしていきます。(気持ち少し大きめがいいと思います)
3.鍋にオリーブオイルを入れて、お野菜が色が変わりクタクタになるまで中火で炒めます。
4.前日に仕込んでいたお肉をワインから取り出し、表面をキッチンペーパーで拭いてください。その後塩をふります。
5.薄く小麦粉をつけてください。(つけ過ぎは注意です)
6.フライパンにオリーブオイルをひき、ほほ肉の全面に焼き色をつけます。
7.炒めた野菜に、前日使った残りのワイン入れます。
8.さらにほほ肉を漬け込んだ時のワインも一緒にしてしまいましょう。
9.沸騰させた後にアクを取りましょう。
10.先ほど焼き色を付けたほほ肉を入れ、沸騰をさせてから弱火にします。
11.蓋をして弱火で約3時間、お肉が柔らかくなるまで煮込んでいきます。
12.柔らかく煮えたほほ肉を、くずれないように取り出し、煮汁をざるで濾します。
13.濾した煮汁の中にほほ肉を戻し、荒熱が取れるまでおいておきます。
14.荒熱が取れたら冷蔵庫へ入れて大丈夫です。この状態で何日かは保存できます。
15.ゼリー状になった煮汁とお肉を鍋にうつします。
16.これを中火で煮詰めます。焦げないように注意をしてください。
17.煮汁がドロッとしてきたら、はちみつとバターを加え、塩、こしょうで味を整えてください。
18.次は付け合せの野菜の準備をしていきます
19.フライパンにオリーブオイルをひき、お好きなお野菜を炒めていきます。
20.焼き色をつけてから、塩、こしょうをふります。
21.あとは全てをお皿に盛り付けてください。
22.最後に煮汁とお好みでイタリアンパセリを添えて完成です。
工程がかなり長く1日では作れないかお料理ですが、その甲斐あっての味になる事間違いないでしょう。
カラブリア
カラブリア州はイタリア半島をブーツに見立てた時に爪先にあたる部分です。シチリア島を加えるとくしゃみをしているワニにも見えますが、先端の地だけあって伝統色の強い料理が多いのですが、今回は野菜たっぷりで栄養満点の家庭料理をご紹介します。ベーシックなイタリア料理である鶏のローストにカラブリア州の野菜たちを添えたものです。
野菜
野菜はタマネギ、小ジャガイモを使います。タマネギは赤タマネギで、トロペア産のロッサ・ルンガが最適です。細長く比較的小玉なタマネギで、甘味が強いのでタマネギが苦手な子供でも食べられるほどです。小玉なので種から栽培しても3ヶ月ほどで収穫出来ます。タマネギの栽培のコツはアルカリ性土壌にすることと、水分を控えることです。日本には葉や種を食害するハエの仲間がいるので、ウジを見つけたら捕殺して下さい。ジャガイモはパタティーナと呼ばれる小玉ジャガイモが使われますが、味が濃くクリーミィーな食感なので、男爵やメークイーンではおなじ様には行きません。シーナと呼ばれるフランスジャガイモや栗ジャガイモとも呼ばれるインカの目覚めが近い食感ですが、タワラムラサキが最も近い味わいです。タワラムラサキであれば外国産ジャガイモを超えるレベルの味の良さなので、パタティーナが手に入らない場合はぜひ利用したい品種です。イタリア料理にはニンニクが多く使われますが、今回も利用します。イタリアのニンニクは通常の白色タイプとスペインのムラサキニンニクや、フランスのピンクガーリックに近い有色ニンニクになります。白色ニンニクは大粒で寒冷地で栽培されますが、有色ニンニクは南方系に原種があるので暖地向けです。日本でいうと大粒で風味が良い六片ニンニクが白色ニンニクで、小型だが旨味を多く持つ沖縄の島ニンニクが有色ニンニクの1種です。
調理
鶏はイタリアにも地鶏はいますが日本の地鶏の方が明らかに味が上なので日本産で構いません。イタリアの鶏で日本で手に入るのは白色レグホンの卵くらいのものです。食べてみれば分かる話しですが、フランスのブレス鶏も薩摩鶏や比内地鶏にはかないません。鶏はモモ肉をエクストラバージンオリーブオイル、白ワイン、ニンニク、レモンの輪切りを混ぜ合わせたマリネ液でマリネします。タマネギは細長いタイプなのでクシ切りに、ジャガイモは小玉ならば丸で、大きければタマネギ同様にクシ切りにします。耐熱皿にタマネギのクシ切りを放射状に並べ、すき間にジャガイモをおきます。先程マリネしたモモ肉に塩コショウ、ローズマリーで味を付けて野菜の上に置いてそのままオーブンで焼けば完成です。ジャガイモが大きい場合は先にボイルしておかないと火が入りません。
今回使うワイン
今回使うワインはマリネした時に甘味がつきやすいグレコ・ビアンコ種が良いでしょう。古くは戦の強壮剤にも使われたワインの原料で、透明感のある香りと強い甘味があります。グレコの名前の通り紀元前7世紀頃にギリシャの移民マーニャ・グレーチャよりイタリアへ運ばれた品種です。カラブリアのアッラーロ川で、ロクリ隊とコルトーネ隊の戦いがあった時、ロクリ隊の兵士は10倍の兵力があったコルトーネ隊と戦う前にグレコ・ビアンコのワインを飲んだ話が有名です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
少々難しいかもしれませんが、1度覚えてしまえば、あとはほほ肉大特価の時には迷わずできそうなお料理ですよね。
赤ワインも新しいものでなくてもいいですし、なんでも大丈夫です。
量に関しては多めに作った方が、美味しく作れるので、ポイントとして覚えておいてください。
もちろんボルドーやカリフォルニアの赤ワインなんかは最高のマリアージュでしょう。
ご参考にしてください。