ワインのことは知らなくても、シャンパーニュ、シャンパン、シャンペンを知らない人はいないはず。お祝い事には欠かせないこの優れたスパークリングワインのラベルには、他のワインにはない独自のラベル用語が数々あります。まずはラベルに書かれるシャンパーニュの格付け、そして栽培地を知っていただき、その後シャンパーニュの生産法をとても簡単にご紹介しますので、それにあわせてシャンパーニュのラベル用語を見ていきましょう。
目次
村の格付け
プルミエ・クリュPremier Crus
一級格付けの44の村。
グラン・クリュGrand Crus
特級格付けの17の村。
<主な栽培地域>
ランスReims,エペルネEpernayはシャンパーニュを生産する都市名としてラベルに記載されまそす。その他、栽培の中心としてモンターニュ・ドゥ・ランスMontagne de Reims、ヴァレ・ドゥ・ラ・マルヌVallee de la Marne、コート・デ・ブランCote des Blancがあり、コート・ドゥ・セザンヌCote de Sezanne,コート・デ・バールCote de Barやや離れた栽培地。
ブドウ品種
白ブドウ品種のシャルドネChardonnay種と、黒ブドウ品種のピノ・ノワールPinot Noir種ムニエMunier種が使われます。
伝統方式(シャンパーニュ方式)
シャンパーニュ地方特有のこの伝統的な方法でワインに発泡性を持たせる作り方を、伝統方式あるいはシャンパーニュ方式といいます。この製法により出来上がったワインには、他には味わうことのない凝縮した味わいとともに何とも言えないエレガンスを感じさせるところが、シャンパーニュがシャンパーニュである所以ともいえるでしょう。
1、スティルワイン生産―一次発酵
辛口で酸の高いベースとなるワインを生産。
2、ブレンディング
通常のノン・ビンテージ・シャンパーニュNon Vintage Champagne(NV)は毎年同じスタイルに作るようになっているので、ベースワインをブレンドして同じスタイルにします。
3、二次発酵
ブレンディング後、リクール・ドゥ・ティラージュLiquer de Tirageというショ糖、酵母、清澄剤の混合物をできたベースワインが入ったボトルに入れます。これによってワインの二次発酵が始まります。この二次発酵によりワインに炭酸ガスを持たせます。二次発酵を表すSecond Fermentationは、この作り方をした別の地域のスパークリングワインのラベルに記載されることがあり、その場合は、伝統方式で作られたスパークリングワインであることを意味します。
4、ルミアージュ
二次発酵によって生じた澱はワインに伝統方式で作られたワイン特有のパン、ビスケット、トーストといった風味を与えます。この澱をルミアージュRemuageという作業で少しずつボトルを垂直にしながら王冠部分まで移動させます。この用語もボトル裏面のラベルに記載されます。
5、デゴルジュマン
ボトルの首の部分を凍らせ澱を外に出す作業。デゴルジュマンDegorgementというこの作業が行われた日付をラベルに記載している生産者も多い。
6.リクール・デクスペディション
ワインと砂糖溶液(ドサージュdosageと呼ばれる)の混合物のリクール・デクスペディションLiqueur d’expeditionが加えられ最終的に完成するワインの甘さが決まります。ラベルに表示される甘みを表す用語は下記のとおり。
ブリュット・ナチュールBrut Nature 辛口(まったくドサージュが加えられていない)
エクストラ・ブリュットExtra Brut 辛口
ブリュットBrut 辛口からオフドライ
エクストラ・セックExtra Sec オフドライから半辛口
セックSec 半辛口
ドゥミ・セックDemi Sec 甘口
ドゥーdouxごく甘口
7.熟成
シャンパーニュのスタイル
ノンヴィンテージNon Vinage(NV)
シャンパーニュはその生産者の独自のスタイルを毎年同じにするので、NVはその生産者の顔となる基本のシャンパーニュ。
ヴィンテージVintage
収穫したブドウの当たり年のみに作られるシャンパーニュ。
ロゼRose
ヨーロッパ内で唯一、赤と白を混ぜて作ることが許されているシャンパーニュのロゼ。近年人気が高い。
ブラン・ドゥ・ブランBlanc de Blanc
シャルドネ種のみから作られたシャンパーニュ。
ブラン・ドゥ・ノワールBlanc de Noirs
ピノ・ノワール種とムニエ種から作られたシャンパーニュ。
プレスティージュ・キュベPrestige Cuvee
スーパープレミアム・ワインの総称。個々の生産者が自由に作ったタイプのシャンパーニュ。
他のものよりしっかり覚えておきたいシャンパーニュのラベル用語
このところお買い得なものも増えシャンパーニュの価格崩壊ともいわれる昨今ですが、やはり日常的に飲むことはないシャンパーニュ。せっかくのお祝いの席に開けるなら、ラベルに書いてあることをきちんと理解して選びたいもの。ご紹介したものは基本用語となりますが、例えば、一定の区域の畑からできたブドウだけを使って作ったとか、熟成年数が長くフレーバーが深いワインとか、各ハウス(シャンパーニュの生産者)が特別な種類の名称でプレスティージ・キュベを呼ぶこともあり、シャンパーニュのラベルはなかなか奥が深いことでも知られています。通常はノンヴィンテージ(NV)というそのハウスの『スタイル』というものが一番重要視されるシャンパーニュ。好きな『スタイル』のシャンパーニュを見つけ出して、特別な日に花を添えてみては。