斜面の多いローヌ川流域は北部と南部2つのワイン産地に分かれており、プレミアムワインからに日常ワインまで多くのワインを生産しています。情熱的とも言われるこのローヌ川流域地方ワインのラベルについてご紹介します。
ローヌ川流域北部
ローヌ川流域全体の生産量の5%を生産するこの地域では、世界中に多くのファンを持つとても質の高いプレミアムワインの生産が行われています。赤ワインはシラーSyrah種、白ワインはヴィオニエViognier種、マルサンヌMarsanne種、ルーサンヌRoussanne種を使用し、ラベルには以下のようなコミューン(村名)産地名が付けられています。
—ローヌ川流域北部の原産地呼称—
主なコミューンACは下記のとおり。
コート・ロティ Cote-Rotie AC
シラーSyrah種と数パーセントのヴィオニエViognier種をブレンドして作られる優雅な赤ワイン。
コンドリュー Condrieu AC
ヴィオニエViognier種だけで作られる白ワイン。生産量が少なく人気のワイン。シャトー・グリエChateau-Grillet ACはこの地域にある畑に格付けがされた高級ワイン。
サンジョゼフ Saint-Joseph AC
主にシラーSyrah種から赤ワイン、マルサンヌMarsanne種、ルーサンヌRousanne種から少量の白ワインも作られています。秀逸なものと凡庸なものと差が出てきているようです。
エルミタージュ Hermitage AC
世界のトップクラスの赤ワインがシラーSyrah種から作られており、このフルボディのワインは50年の熟成に耐えるといわれています。ルーサンヌRousanne種、マルサンヌMarsanne種から白ワインも作られており、同じく長期瓶内熟成によって濃厚な白ワインとなります。
クローズ・エルミタージュ Crozes-Hermitage AC
エルミタージュ周辺にある地域で、赤はシラーSyrah種から、白はルーサンヌRousanne種、マルサンヌMarsanne種からフルーティなワインを生産しています。
コルナスCornas AS
フルボディの赤ワインがシラーSyrah種から作られており、近年、その隠れた品質の良さが注目され値段が上がってきています。
ローヌ川流域南部
日常的なものから高品質のものまで、広範囲で赤、白、ロゼワインが生産されています。ブドウ品種は12品種以上をブレンドして作ることが許可されています。
—ローヌ川流域北部の原産地呼称—
主なコミューンACは下記のとおり。
コート・デュ・ローヌ Cotes du Rhone AC
地方名称ワイン。シンプルな味わいの赤ワイン。ローヌ川流域の生産量の半分以上。
コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ Cotes de Rhone Villages AC
この地方のいくつかの村で、さらに厳しい生産規定をクリアして作られたワイン。これに各村の名前が付けられることもあります。
シャトーヌフ・デュ・パプChateauneuf-du-Pape AC
13種類のブドウ品種を使うことが許されている赤ワイン、白ワインが生産されており、その人気は非常に高い。フルボディ、高いアルコールでスパイシーさが人気。
ジゴンダスGigondas AC、ヴァルケラス Vacqueyras AC
いずれもシャトーヌフ・デュ・パプに似たスタイルの赤ワインを作っています。
*他にも,このローヌ川流域南部地方には多くのコミューンACが存在しとても人気が高い。
周辺地域のワイン
最近よくお店で見かけるワインに、この地方で生産される軽いスタイルのワインがあり人気を呼んでいます。
コート・デュ・ヴィヴァレCotes du Vivarais AC
グリニャン・レ・ザデマール Grignan-Les‐Adhemar AC( Coteaux du Tricastin AC)
ヴェントーVentoux AC
リュベロンLuberon AC
まだまだ未開の銘醸地
ワイン愛好家にこそよく知られた有名なワイン産地のローヌ川流域地方ですが、日本ではまだまだ一般的に知れ渡っていないのがこの地方の優れたワインたち。非常に長い間の熟成が可能なスーパースター・エルミタージュから、続々登場する新鋭の村名ワインまでさまざまなスタイルのワインが作られています。北部はその地形から栽培、収穫にもコストがかかりますが、南部の広大な地域でたくさん太陽の光を浴びたブドウから出来上がるワインは地中海やプロバンスの太陽の匂いがしそうなワインがお買い得で特にお勧めです。フランスワインと言えば、ボルドー、ブルゴーニュとなりがちですが、2大産地に負けないぐらいの品質とダイナミックさが期待できる銘品がローヌ川流域から見つかるはずです。