ドイツとの国境に位置するフランス東部、アルザス地方の郷土料理、シュークルートをご紹介します。キャベツの塩漬けは缶詰の物を使用するので、手軽に本格的に作ることが出来ます。柔らかく煮込んだ豚肉とさっぱりとした塩漬けのキャベツがとても美味しい一品です。脂っこいのが苦手な方は豚ばら肉を豚肩肉に変えるとよりヘルシーに作ることが出来ます。
材料 4人分
・ザワークラウト 1缶
・豚ばら肉 500g
・タマネギ 250g
・ニンニク 1片
・白ワイン 250cc
・水 適量
・ねずの実 2〜3粒
・ローリエ 1枚
・タイム 2枝
・ウィンナー 4本
・ジャガイモ 250g
・パセリ 5g
・マスタード 適量
・塩こしょう 適量
作り方
- 豚肉に多めの塩をふり、密閉できる袋にいれ一晩冷蔵庫にいれる。
- タマネギ、ニンニクを薄切りにする。
- パセリをみじん切りにしておく。
- ザワークラウトはザルにあけ、水気を切っておく。食べやすいようにざく切りにしておいてもよい。
- フライパンにサラダ油を引き、タマネギとニンニクを炒める。
- 4がしんなりしたらザワークラウトを加え軽く炒める。
- 白ワインと水をひたひたになるように加える。ふつふつとしてきたら食べやすい大きさに切った豚バラ肉を加える。
- ねずのみ、タイム、ローリエを加える。塩こしょうで味を調え、20〜30分程煮込む。
- ウィンナーとジャガイモを加え、ジャガイモに竹串がすっと刺さるくらい柔らかくなるまで煮る。
- お皿にのせ、パセリを散らす。
この料理に合うワインは…
アルザスで作られた白ワイン、リースニングがおすすめです。洗練されていて辛口、優雅な果実味を感じます。すっきりとした味わいがシュークルートの酸味と非常に良く合います。
ドイツから伝わった保存食
「シュークルート」とはフランス語で「酸っぱいキャベツ」という意味で、ドイツの郷土料理の「ザワークラウト」が伝わったものです。ドイツの国境のアルザス地方やドイツ移民の多いアメリカ合衆国などをはじめ、世界各国でよく食べられています。ドイツ料理店に行くとソーセージの付け合せに酸っぱいキャベツがついてきますよね。あれがザワークラウトです。作り方は非常に簡単で、千切りにしたキャベツをローリエやねずの実などと一緒に塩漬けにします。そうすると自然の力で乳酸発酵が進み、独特の酸味が生まれます。日本でいう漬物と同じ仕組みです。ドイツではザワークラウトに向いたキャベツの生産がされているほど国民に愛されている食べ物なのです。
ドイツの冬は非常に厳しく、作物を育てることが出来ません。そのため、ドイツの人々は春に収穫したキャベツを塩漬けにし、冬に食べ、野菜を補っていたのです。ザワークラウトは乳酸発酵の働きで、そのビタミンCの量が生のキャベツより多く含まれています。野菜が不足しがちな冬には大切な栄養源としても重要な役割を担っていたのです。また、長い航海にもザワークラウトは保存食として利用され、世界各国に広まっていきました。